毎日の買い物や金融取引でポイントを効率的に貯めたいと考えている人は多い。しかし、たくさんある経済圏の中からどれを選べばよいのか、判断に迷うことがある。そんなとき、注目したいのが楽天経済圏である。ネットショッピングから資産運用まで、幅広いサービスを連携させることで効率的な家計管理を実現できる。
この記事では、楽天経済圏の始め方を3つのステップに分けて初心者にもわかりやすく解説する。無料から始められる「お試し」、金融サービスでポイント獲得を効率化する「普段使い」、そして専門サービスで最大限の恩恵を得る「使い倒す」段階と、段階的に活用していくことで無理なく楽天経済圏のメリットを享受できるだろう。
このページは、2025年7月22日の情報をもとにしております。
楽天経済圏の特徴とサービス
楽天経済圏とは、「楽天ポイント」を効率的に貯め、お得に使えるエコシステムである。
あらゆるサービスを一元化することで、お金の管理がシンプルになり、固定費の節約やポイントの還元を最大化できる。
サービス名 | 倍率 | 主な達成条件 | 月間上限 |
---|---|---|---|
楽天会員 (通常ポイント) | +1.0 | 会員であるだけ | – |
楽天モバイル | +4.0 | 対象プラン契約+エントリー | 2,000P |
モバイルキャリア決済(楽天モバイル) | +2.0 | 通話料を楽天カードで合計2,000円以上支払い | 1,000P |
楽天ひかり /Rakuten Turbo | +2.0 | 契約+エントリー | 1,000P |
楽天カード | +2.0 | 楽天市場でカード利用(+1通常++1特典) | 2,000P |
楽天銀行+楽天カード | +0.5 | 銀行引落&給与受取 等 | 1,000P |
楽天証券 (投信) | +0.5 | ポイント投資で月3万円以上 | 2,000P |
楽天証券 (米国株) | +0.5 | 円貨で米国株ポイント投資3万円以上 | 2,000P |
楽天ウォレット | +0.5 | 暗号資産(現物)30,000円以上購入 | 1,000P |
楽天でんき | +0.5 | 前月使用5,500円以上&支払い | 1,000P |
楽天トラベル | +1.0 | 月1回5,000円以上予約・利用 | 1,000P |
楽天ブックス | +0.5 | 月3,000円以上購入 | 500P |
楽天Kobo | +0.5 | 月3,000円以上購入 | 500P |
楽天ビューティ | +0.5 | 月3,000円以上予約+利用 | 500P |
Rakuten Pasha | +0.5 | レシート等利用条件達成 | 1,000P |
Rakuten Fashion | +0.5 | アプリで月5,000円以上購入 | 1,000P |
楽天Kドリームス | +0.5 | 車券投票1万円以上 (ワイド除外) | 2,000P |
楽天ラクマ | +0.5 | 出品→発送→取引完了で2,000円以上売上 | 500P |
楽天経済圏への入り口:基本の3ステップ
楽天経済圏を始めるにあたり、無料でできる基本的な下準備をしておく。
まずは以下の3つのステップを順に実行するのがおすすめである。
ステップ1:楽天会員登録
楽天経済圏利用の大前提は、楽天会員登録(楽天ID取得)である。登録作業は公式サイトから必要事項を入力し、メールアドレス認証を行うだけで完了する。
費用は一切かからず、楽天市場や楽天トラベルなど既に利用しているサービスがあれば、そのIDを流用できる。
1つの楽天IDですべての楽天サービスを一元的に管理できるため、複数サービスの利用が格段に楽になる。

IDは、早めにメールアドレスから推測されにくいIDに変更しましょう。
ステップ2:新規キャンペーンにエントリー
会員登録が終わったら、楽天の「新規キャンペーン」にすぐエントリーしたい。
「スタート1000」のページで、新規会員向けの高額ポイントがもらえるキャンペーンが紹介されている。ここで最大1,000ポイント以上のボーナスポイントを獲得できるケースも多いため、初期段階の特典は絶対に見逃さないようにしたい。

キャンペーンは、必ずエントリーの有無を確認しましょう。
ステップ3:楽天ポイントカードの発行&アプリの準備
楽天ポイントをリアル店舗でも貯めるには、楽天ポイントカードが必要となる。発行方法は主に以下の通りだ。
- アプリ発行:「楽天ペイ」などの公式アプリから即時発行・利用が可能である。楽天ポイントアプリは楽天ペイアプリに統合されている。
- 提携店でのカード発行:ミスタードーナツ、コーナン、ツルハドラッグなどの提携店のレジでプラスチックカードを無料でもらえる。カードデザインは店舗ごとに異なる。
- 楽天カードのポイントカード機能:楽天カードを持っている場合は、そのまま店頭で提示すればポイントカードとして利用できる。
リアルカードを入手した場合は、12カ月以内にWebサイトから利用登録が必要である。これを怠るとポイントが消える恐れがあるため注意したい。
アプリ名 | 最初に利用したいサービス | ダウンロードサイト |
---|---|---|
楽天ペイ | キャッシュレス決済 | |
楽天市場 | 楽天市場 | |
楽天カード | クレジットカード |

利用サービスによってアプリは入れ替えます。複数のアプリを使うので、特に悩む必要はありません。
楽天経済圏の始め方:おすすめの3ステップ
楽天経済圏にはさまざまなサービスがある。
これから楽天経済圏に参加する場合は、無理なく自分の生活スタイルにあった順番がおすすめである。
ここでは、「お試し」「普段使い」「使い倒す」の3ステップで紹介する。
ステップ1:楽天経済圏を「お試し」で始める
楽天経済圏に興味を持ったら、無料で始められるサービスから着手するのがおすすめだ。楽天カードの入会と楽天銀行の口座開設から試してみるのがいいだろう。
ステップ2:楽天経済圏を「普段使い」にする
使い勝手に慣れてきたら、毎月支払う「生活の基盤サービス」を楽天に置き換えると、ポイントが一気に溜まりやすくなる。特に楽天モバイルへの切り替えがカギとなるだろう。
これらは「日常生活の必須サービス」であり、定額支払いを楽天にまとめることで、自然にポイントが貯まっていく仕組みである。
ステップ3:楽天経済圏を「使い倒す」
生活が楽天経済圏に馴染んできたら、ポイント還元率を高めることを意識する。
「高度なサービス」や「趣味・興味別サービス」を追加しよう。
- 楽天証券:ポイント投資やNISAなどを活用し、資産運用とポイント獲得を両立できる。
- 楽天保険:自動車保険や医療保険など、生命・損害保険の契約でもポイント還元が見込める。
- 楽天ひかり/楽天Turbo:光回線の契約で月々のポイント還元やキャンペーン特典が狙える。
- Rakuten Fashion:ファッションECやコラボ商品など、自分の趣味やライフスタイルに合った特化サービスがある。
これらのサービスは、活用次第で高還元や特典が得られる一方、利用ハードルがやや高いものもある。自分の生活や興味に合わせて、無理なく追加すればよい。
楽天経済圏の始め方:属性別の3ステップ
おすすめの3ステップをベースに、属性別にライフスタイルに合った楽天経済圏の始め方を開設する。
単身者向けの始め方
シングルであれば、サービスの利用や撤退はしやすい。証券会社を探しているなら、いきなり楽天証券を利用してみるのもいいだろう。
気になったサービスを積極的に利用してみよう。
- ステップ1:「お試し」で始める
楽天カード、楽天市場、楽天ペイなど無料で手軽に使えるサービスからスタートする。単身生活ではポイント管理や家計管理がシンプルなので、まずはこれらで楽天経済圏の感触を掴むとよい。 - ステップ2:「普段使い」にする
楽天モバイルや楽天でんきなど生活必需費を楽天にまとめつつ、楽天ブックス・楽天Koboで趣味もカバー。単身者は自分のペースで必要なサービスを選びやすい。 - ステップ3:「使い倒す」
楽天証券での投資や楽天ビューティ、楽天トラベルなど、個人の生活の質向上や資産形成に意識を向けたサービスを導入。無理せず自分の趣味や目的に合わせて拡大可能。
DINKS向けの始め方
子どものいない夫婦二人家族の場合、夫婦で楽天サービスに統一することで、ポイント獲得の機会を大きく増やせる。
- ステップ1:「お試し」で始める
楽天カードや楽天銀行、楽天ペイなどを夫婦それぞれで揃え、日常の支払いや現金受け取りを楽天にする。2人分まとめてポイントが加算されるため、効率よく貯められる。 - ステップ2:「普段使い」にする
楽天エナジーや楽天ひかりなど、毎月必ず発生する光熱費・ネット通信費も楽天にする。固定費の支払いもポイント還元が見込めるため、家計全体の節約につながる。楽天トラベルや楽天ビューティの利用も検討しよう。 - ステップ3:「使い倒す」
共働きの強みを活かし、楽天証券や楽天保険を活用した資産運用や保障の充実に取り組む。2人分の興味や投資判断を活かして経済圏の幅を広げていくと効果的である。
楽天銀行や楽天カードなどの個人のみで使うサービスを統一しつつ、楽天でんきや楽天ひかりなど共有するサービスも楽天経済圏にできれば、効率よくポイントを貯められるようになる。
子育て家族向けの始め方
子育て家族であれば、楽天経済圏の子供向けサービスや家族向けサービスを活用できる。
- ステップ1:「お試し」で始める
楽天市場の「ママ割」メンバーとなり、より多くの特典を受ける。メンバー限定のクーポンやキャンペーンを有効活用しよう。楽天カードや楽天銀行を活用し、高いポイント還元率を適用できる状況にしておく。 - ステップ2:「普段使い」にする
楽天モバイル、楽天でんき・ガスなどの生活必需費を楽天に一括化する。楽天モバイルには「最強こどもプログラム」があるため、12歳までの子どもなら月額528円で利用できる。 - ステップ3:「使い倒す」
楽天証券で教育資金の準備を進め、楽天保険で家族の安心をサポート。家族アカウント制度を活用し、家族全員で効率的にポイントを貯めることや、家族旅行の足しに使うなど利便性を最大化する。
楽天経済圏攻略のための年間シミュレーション
楽天経済圏のサービスは多様だが、たくさん利用すると管理が大変である。
ポイント還元の仕組みは複雑であるため、まずは最小限のサービスでどれだけポイントが貯まるのか、現実的なシミュレーションが必要である。
ここでは、単身者・DINKs・子育て家族それぞれの生活パターンを想定し、「無理なく入門できる組み合わせ」と「年間獲得ポイントの目安」を紹介する。
単身者のための攻略シミュレーション
単身者の場合、普段の生活費・買い物・銀行引き落としを楽天経済圏に集約することから始めるのが現実的である。あまり多くのサービスを使い分けなくても、カード決済・ネット通販・銀行を順に組み合わせるだけでも十分な還元が期待できる。
月間利用額 | 年間獲得ポイント +初年度ボーナス | 主な利用サービス |
---|---|---|
3,000円 | 2,460pt + 6,000pt | 楽天カード、楽天市場、楽天銀行、楽天ペイ |
毎月3,000円程度の買い物と生活費決済だけでも、初年度で8,000~9,000ポイント程度の獲得が可能である。まずはシンプルな組み合わせで、楽天経済圏の仕組みを体感することが大切である。
DINKsのための攻略シミュレーション
共働き夫婦(DINKs)であれば、夫婦でそれぞれ楽天カードや楽天市場を活用し、生活費や通信費をまとめて還元対象とすることができる。
夫婦ともに楽天経済圏を利用するケースで考えていこう。
月間利用額 | 年間獲得ポイント +初年度ボーナス | 主な利用サービス | |
---|---|---|---|
夫 | 7,000円 | 8,772pt + 8,000pt | 楽天カード、楽天市場、楽天銀行、楽天ペイ、楽天モバイル、楽天ひかり など |
妻 | 3,000円 | 3,108pt + 6,000pt | 楽天カード、楽天市場、楽天銀行、楽天ペイ、楽天モバイル |
夫婦で合計すると初年度で25,000~28,000ポイントの獲得が可能である。それぞれのライフスタイルに合わせて、ゆとりのあるサービス追加がおすすめである。
子育て家族のための攻略シミュレーション
子育て家族は生活コストが高くなるため、家計全体を楽天経済圏で集約すると還元率がさらに高くなる。価格が安ければ、楽天市場を利用することで、ポイントを獲得できる。
月間利用額 | 年間獲得ポイント +初年度ボーナス | 主な利用サービス | |
---|---|---|---|
夫 | 8,000円 | 11,760pt +13,000pt | 楽天カード、楽天市場、楽天銀行、楽天ペイ、楽天モバイル、楽天ひかり、楽天でんき・楽天証券など |
妻 | 4,000円 | 4,152pt +6,000pt | 楽天カード、楽天市場、楽天銀行、楽天ペイ(主要サービス中心) |
家族全体で初年度34,000~35,000ポイントの獲得も目指せる。経済圏への入り口は夫婦それぞれの生活ラインに合わせて選択し、無理のない範囲でサービスを追加するとよい。
実際に、公式サイトでポイントシミュレーションが可能だ。どのくらいポイントを獲得できるかを確認し、楽天経済圏のメリットを確かめてみよう。
初めての人がおさえておきたいお得ワザ
楽天経済圏を始めるなら、最小限の手間で最大のポイント還元を狙うことが大切である。ここでは、初心者でも確実に押さえておきたい基本的なお得ワザを紹介する。
キャンペーンを活用する
楽天経済圏では、新規登録や特定サービスの利用時に大規模なキャンペーンを頻繁に実施している。
キャンペーンは公式アプリやメール、トップページのバナーから確認できるため、必ずエントリーしてから利用を開始する習慣が重要である。対象サービスごとに専用リンクや専用ページが用意されている場合もあるので、公式サイトやアプリの「キャンペーン情報」を定期的にチェックするのがポイントである。
当サイトでは、楽天経済圏各サービスのキャンペーンをまとめている。以下のページも参考にしてほしい。
楽天ポイントの二重取り
楽天ポイントを効率よく貯めるなら「二重取り」の仕組みを理解すべきである。
これらの方法はスマホ1台で完結しており、楽天ポイント加盟店のみが対象であるため、利用先を確認してから支払うのがコツである。
倍率とポイント上限
SPUは、倍率の加算と上限が重要である。
楽天モバイル、楽天カード、楽天ひかりなどのサービスはSPUによる倍率アップが大きい。一方、各サービスには上限が設けられているため、高額の買い物をする場合には確認しておく必要がある。
SPUの最大倍率は18倍である。現実的に、まずは10倍前後を目指すといいだろう。
初めての人がおさえておきたい注意点
楽天経済圏の仕組みを活用する際には、お得なポイント還元とともに、気をつけておきたいポイントがある。ここでは、楽天経済圏を始めるにあたって最低限意識すべき注意点を解説する。
無理のない範囲でサービスを利用する
楽天経済圏には多様なサービスが揃っているが、無理して不要なサービスまで契約すべきではない。
SPU倍率アップやポイント獲得を意識するあまり、普段使わないサービスに手を出すと、月額費用や契約手間が無駄に増えてしまう。ポイント還元が目的で家計が圧迫されるのは本末転倒である。
必要なサービスだけを選択し、無理のない範囲で経済圏を楽しむことが長期継続の秘訣である。
楽天ポイントの有効期限
楽天ポイントには有効期限がある。
通常ポイントは「付与月の翌年同月の前月末まで」が期限だが、新たにポイントを獲得すれば有効期限が延長される。
一方、SPUなどの期間限定ポイントは1~2ヶ月程度で失効するため、こまめに有効期限を確認する必要がある。
ポイントが無駄に失効しないよう、使えるタイミングでしっかり消化することが重要である。
楽天経済圏とほかの経済圏を比べる
楽天経済圏以外にも、PayPay、au、イオン、Yahoo! JAPANなど他社のポイント還元エコシステムが存在する。自分にとって現実的かつお得なサービス構成は人それぞれ異なる。
すでに他社のクレジットカードや携帯電話、銀行サービスを利用している場合は、切り替えの手間やサービス品質、還元率を冷静に比較・検討すべきである。
当サイトでは、各経済圏について客観的に解説しているので、楽天経済圏に興味がある人もぜひ読んでいただきたい。
まとめ:段階的に楽天経済圏を活用しよう
楽天経済圏は、買い物からポイント獲得、そして金融サービスまで幅広いサービスが一つのIDで連携する仕組みとなっている。効果的な活用には段階的なアプローチが重要である。まずは無料の楽天会員登録から始め、楽天市場での買い物や楽天ポイントカードを利用した実店舗でのポイント獲得に慣れることが第一歩となる。
次の段階では、年会費無料の楽天カードと楽天銀行口座を開設することで、ポイント獲得の効率が大幅に向上する。楽天カードはSPUで+1倍のポイントが付与され、公共料金や税金の支払いからもポイントが貯まる。楽天銀行との連携により、ATM手数料や振込手数料の優遇も受けられるようになる。
さらに上級者向けには、楽天モバイルと楽天証券の活用がある。楽天モバイルはSPUで最大+6倍のポイントアップが可能であり、楽天証券では貯まったポイントを投資に回すことができる。また、お買い物マラソンなどのイベントをSPUと組み合わせることで、より高い還元率が実現できる。
重要なのは、無理のない範囲で段階的にサービスを追加していくことである。自分の利用スタイルに合った活用レベルを見つけ、継続的に経済圏のメリットを享受していくことが賢明な方法である。計画的な買い物とポイント運用を心がけることで、楽天経済圏は家計にとって強力な味方となるだろう。
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